米国の政権交代による影響は、世界のエネルギー情勢はもとより、日本のエネルギー各社も避けられそうにない。日本の発電大手であり世界でエネルギー関連事業に当たるJ-POWERはどう対応するか。特集『総予測2025』の本稿では、菅野等社長に直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
インフレ抑制法縮小の可能性は高いが
「影響はあまりないと思う」
――2025年1月に米大統領に返り咲くトランプ氏は、エネルギー関連投資を後押ししてきたインフレ抑制法(IRA)を縮小する可能性が高いです。予算未使用分が停止すれば影響はありますか。
今のところあまりないと思っています。仕掛かりの仕事に関しては、それぞれの州で認めてもらっていますし、それらの州は共和党の知事が多いので大きく方針が変わることはないだろうと。
――J-POWERは次世代エネルギー(水素、アンモニア)の調達先にオマーンやオーストラリアがあります。日系他社は米南部で検討するケースが多い中、トランプリスクまで考えていたのですか。
世界を股にかけ、電源開発、再生可能エネルギー事業、次世代エネルギー製造などに取り組むJ-POWERのトップは世界のエネルギー情勢の今後をどう分析するか。次ページでは、米国が温室効果ガス削減に関する世界的な取り決め「パリ協定」を再離脱した場合の影響や、次期エネルギー基本計画への期待などを菅野社長が語る。また、電力大手で最多額である従業員平均年収についても言及した。