丸井Photo:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度のファッションビル編だ。

パルコ、マルイとも
見かけは3カ月連続でプラスだが…

 ファッションビルの主要2社が発表した2022年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯パルコ(J.フロント リテイリング)のテナント既存店取扱高
 10月度:前年同月比114.3%(14.3%増)
 11月度:同107.1%(7.1%増)
 12月度:同110.3%(10.3%増)

◯マルイ(丸井グループ)の小売取扱高
 10月度:前年同月比110.9%(10.9%増)
 11月度:同102.2%(2.2%増)
 12月度:同106.1%(6.1%増)

 両社とも、10~12月の3カ月はいずれも前年実績を上回っており、パルコの10月と12月、マルイの10月は2桁のプラスとなった。新型コロナウイルス禍での行動制限がなくなり、人々の消費活動が活発になってきたことが大きな要因だ。

 ただ、時系列で詳しく見ていくと、表面的な月次業績の数字だけでは分からない、深刻な事態が露わになる。小売り業界にとって、コロナ禍のダメージがいかに大きかったか、それを示す数字が浮かび上がった。次のページから、詳しく見ていこう。