この10年で、何がどれだけ
「デフレ」したのか?

 下のグラフは、2002年以後の、品目ごとの消費者物価の推移である。(出典:池田和彦「消費者物価指数と生活保護基準(その2)―デフレを理由に生活保護基準を引き下げてよいのか」『賃金と社会保障』1580号〈2013年2月下旬号〉 )

 2002年以後、消費者物価が激しく変動してきた様子が分かる。特に「家具・家事用品」での下落が激しい。2010年を「100」とすると、2002年から2012年にかけての下落幅は、約25%にも及ぶ。このことには、筆者は「そういえば、『100円均一ショップ』で買えるものを他の店で買わなくなったし、通常のスーパーでも価格が下がってきた感じが」という形での実感を持っている。

 このグラフの元になった数値は、以下のとおりである。総務省「消費者物価指数」から抜粋された数値である(出典:同上)。

 しかし「10大品目総合」で見ると、デフレなのか通常範囲の変動なのか判然としない感じになる。2010年を100とすると、2002年は101、2012年は99.7。最大であった2008年の「102.1」と比べても、それほど大きな変動であるようには見えない。

低所得層に
デフレの恩恵はあったのか?

 2002年から2012年までの間、充分な収入を得ることが困難な人々にとってのデフレの恩恵は、筆者の実感としては衣服にあった気がする。「ユニクロ」や「ファッションセンターしまむら」で、低価格の衣服を購入して着用することは、恥ずかしいことではなく、むしろ好ましいライフスタイルと考えられるようになった。

 筆者の記憶では、遅くとも2005年ごろには「ユニバレ」「しまむる」という用語が出現しており、軽蔑的なニュアンスを含んでいた。その時期に比べれば、大変な変化である。しかし、このグラフを見る限り、「被服および履物」の消費者物価には大した変動はない。いずれにしても衣服は、多くを求めなければ、節約が比較的容易な品目であろう。

 では、節約しようとしても限度のある品目についてはどうだろうか。具体的に見れば、食料品、光熱・水道、住居、保険医療である。

 食料品は、「2002年から2008年にかけてやや上昇、2008年以後はほとんど変わらず」という感じである。少なくとも、前回の生活保護基準見直し(2007年)と現在の間で大きな差はないといえよう。