2022年のビール類シェアで3年ぶりに首位奪還を果たしたアサヒビール。その裏には、スーパードライとアサヒ生ビール(マルエフ)の「ビール2本柱戦略」があった。特集『ビール完敗』の#4では、アサヒビールの塩澤賢一社長に成功の要因を明かしてもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
アサヒビール3年ぶりシェア首位奪還も
「数量非公表のため正確なことは言えない」
――2022年ビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)のシェアでキリンビールを抜き、3年ぶりに首位奪還を果たしました。(『アサヒがビール首位3年ぶりの奪還、キリンが「2年天下」に終わった理由』参照)
われわれが販売数量の発表をしていないため、こちらから正確なことは言えないですし、正直、もうあまり興味がないです。
――シェアは経営指標としては大事ではないかもしれませんが、営業現場など「社員の士気」にかかわります。
問題は「ビール類」という数字の定義です。ビール、発泡酒、新ジャンルを同じ土俵で議論するのは適切ではないということを言いたい。ですから、私はボリューム自体を否定しているわけではないのです。
3年ぶりにビール類シェアで首位奪還を果たしたアサヒビール。その最大の要因が、スーパードライとアサヒ生ビール(マルエフ)の「2本柱戦略」にある。自社競合せずに、躍進を遂げた要因は何か。次ページでは、成功要因を塩澤社長に明かしてもらった。