ビール完敗#5Photo:Matthias Kulka/gettyimages

サントリーホールディングスの次期社長に、創業家出身でサントリー社長の鳥井信宏氏が就任する「大政奉還」がいずれ行われるとみられている。2023年にビール大手4社のトップ人事に変化はあるのか。特集『ビール完敗』の#5では、アサヒ、キリン、サントリー、サッポロのビール大手4社のビール事業会社とホールディングスの計8人の社長人事を大予想した。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

サントリーHDの次期社長は創業家へ大政奉還
新浪社長は後任を公言し、社外活動を活発化

「次の社長は、鳥井信宏さんだ」

 サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長は、2014年10月に創業家以外から初となる社長に就任した。次期HD社長には、創業家出身で、現在サントリー社長の鳥井信宏氏が就任する「大政奉還」が行われるとみられており、新浪氏は至る所で冒頭のように公言する。

 新浪氏は、23年4月から経済同友会の次期代表幹事に内定していることに加え、21年にはクラウドソーシング大手クラウドワークスの社外取締役に就任した。社外での活動を活発化させており、禅譲に向けた“布石”とも取れる。焦点は社長交代の時期である。23年に交代はあるのか。

 また、サントリーのライバルであるキリン、アサヒ、サッポロでトップ人事に変化はあるか。

 次ページ以降では、社長本人や関係者への取材を基に、23年の大手4社のビール事業会社とHD計8人の社長人事を大予想した。年内の交代が濃厚な社長と後任有力候補の実名も明かす。