コロナの収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度のホームセンター編だ。
DCM・コメリ・コーナン、
「コロナ勝ち組」の強さは本物か
ホームセンターの主要3社が発表した2022年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯DCM(DCM ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比99.5%(0.5%減)
11月度:同96.2%(3.8%減)
12月度:同101.4%(1.4%増)
◯コメリの既存店売上高
10月度:前年同月比101.0%(1.0%増)
11月度:同98.3%(1.7%減)
12月度:同102.6%(2.6%増)
◯コーナン(コーナン商事)の既存店売上高
10月度:前年同月比101.1%(1.1%増)
11月度:同99.0%(1.0%減)
12月度:同103.8%(3.8%増)
今回取り上げる3社の10~12月の月次実績を見ると、DCMの10月と11月、コメリの11月、コーナンの11月がそれぞれ前年実績割れとなっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、業績回復が遅れているのだろうか。
実は、22年のホームセンター業界の数字の分析は難しい。この業界は新型コロナウイルス感染拡大の1年目である20年に巣ごもり特需が発生した。その反動減の影響から、21年と22年9月までの月次業績はおおむね「前年実績割れ」であり、一見、苦戦を強いられているように見えがちだった。
だが、数字をつぶさに見ると、22年4~6月はコロナ前の売上高水準を上回り、コロナ3年目の時期でもなお「勝ち組」とも言える状態であった(22年8月8日掲載「DCMが『8カ月連続減収』でも、“コロナ勝ち組”の座は揺るがない理由」)。
ところが続く22年7~9月においては、状況が一変する。特に9月は、19年9月にあった消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減という特殊要因があり、ホームセンター業界もコロナ前の業績水準を割り込む結果となった(22年11月9日掲載「DCM・コメリ・コーナン、コロナ勝ち組に「異変」を起こした特殊要因の正体」)。
では、22年10~12月の業績は実際のところどう判断したらいいのか。好調なのか、不調なのか。詳しく数字を分析していこう。