部下の仕事ぶりが一変する「リーダーの話し方」、刺激すべき部下の感情とはリーダーに必要なものは特別な能力や実績、カリスマ性ではない。「人をやる気にさせ、能力を引き出す話し方」だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

おすすめポイント

 2020年から2022年まで3年連続で「一番読まれたビジネス書」(日販調べ)に輝いた大ベストセラー『人は話し方が9割』。本シリーズの最新刊のテーマは「リーダーの話し方」だ。

『リーダーは話し方が9割』書影『リーダーは話し方が9割』 永松茂久著 すばる舎刊 1650円(税込)

 本書『リーダーは話し方が9割』における「リーダー」とは、企業の経営者やマネジャーだけではない。コミュニティの責任者やパートのチーム長、学校の先生、お子さんがいる人など、「1人でも導くべき人がいる人」を対象にしていると著者はいう。便宜上「部下」「下の立場の人」などと表現されているものの、子ども、メンバー、生徒、後輩などに読み換えられる仕立てだ。

 リーダーの話し方ひとつで「部下」の仕事ぶりはガラリと変わる。本書の印象的なエピソードを紹介しよう。

 著者が行きつけの飲食店に入店したところ、いつもとは様子が違うことに気づいた。カウンター席に座ってよく観察してみると、いつもなら場を仕切っている店長が後ろに下がり、別のスタッフがメインに立っている。スタッフの胸には「キッチンの新米リーダーの高橋です」の名札。緊張している様子の新米リーダーに、周りのスタッフたちは「はっきり指示出して!」と強い口調で呼びかけている。