秦外相の「妄言」に見る
中国の「戦狼外交」

 秦剛氏は、尖閣諸島の問題に関して、日本側に右翼勢力の挑発を止めるよう強く要求したとされる。加えて、歴史や台湾の問題で言動を慎むよう求めたとも聞く。

 事実、2月3日、産経新聞は「尖閣諸島(沖縄県石垣市)や台湾問題を巡っては双方の主張が対立した」と記述している。

 その場に居合わせたわけではないので、語調の強弱まではわからないが、日本国内での言論の自由を封じ込めろと言わんばかりの物言い、国際法上も日本固有の領土である尖閣諸島を我が物のごとく語る姿勢は、王毅前外相以降顕著な「戦狼外交」(相手国を威嚇する攻撃的な外交)そのままと言っていい。とても看過できない。

 この先、林外相の訪中など対話の機会は多々あるにせよ、「戦狼外交」をけん引してきた王毅氏が外交トップ、秦剛氏が外相にいる以上、中国との関係はしばらく「政冷経熱」(政治は冷え込んでいるが経済は活況)という状態を余儀なくされるのではないだろうか。