消費者は大きな車を運転するのが好きだが、車高の低いスポーツカーのスピードと俊敏性も好きだ。その二つを両立させるのは容易ではない。仏自動車メーカーのルノー、日産自動車、三菱自動車の3社連合にも同じような緊張感が存在する。自動車業界で電気自動車(EV)化やデジタル化が進む中、自動車メーカー各社はこれまでよりも迅速に行動する必要に迫られている。一方で、世界市場に向けて少品種を大量生産するテスラのモデルは、引き続き規模に価値があることを示している。連合3社は6日、日本でもフランスでもないロンドンのホテルで新時代の正式な幕開けを発表した。3社の結びつきを緩めることで、効果的な協業に向けて信頼が深まるとともに、各社が柔軟に独自の道を歩み、業界の過渡期を乗り切ることが大いに期待されている。最大の注目点は、ルノーの日産への出資比率を15%に引き下げて日産のルノーへの出資比率と対等にし、連合の複雑な法的関係を改めることだ。