中国政府は気球が撃墜された件を巡り、このところ米政府をやり玉に挙げている。だが同国がもっと懸念すべきは、人口という「気球」がしぼんでいることだ。昨年、中国の人口は1960年代序盤以来、初めて減少に転じた。中国の低コストの製造モデルにとって、労働力の減少が脅威になるというのは十分に理解されている。だが人口減少は、拡張的な産業政策と調査力を支える上で欠かせない貯蓄を目減りさせるという、別の形で中国の発展戦略の中心を直撃する可能性がある。中国では、労働力人口(15~64歳)に対する子ども(14歳以下)と高齢者(65歳以上)の割合を示す依存率が2010年の34%から、21年には46%に上昇した。2000年代初めに中国の貯蓄率は跳ね上がったが、その主因は依存率の低下だった。
中国の「人口気球」が急降下
発展戦略の中心を直撃か
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