なぜ、人は必要以上に買ってしまうのか?

 使い切れないかもしれない額のプレミアム付き商品券を、なぜ人は買ってしまうのだろう。それには、「先に申し込みをし、当選しないと買えない」という仕掛けが影響している。

 自治体のプレミアム券もGo To Eatチケットも、まず申し込みが必要だった。当然、落選することもある。誰でもいつでも買えるなら、必要な分を買い、足りなくなったらまた買えばいい。しかし、「当選した=多くの参加者の中から選ばれて買える権利を与えられた」となれば別だ。買えるのは一度だけ、だからその権利を無駄にはしたくない、目いっぱい行使しなくては損だと思うだろう。無駄遣いを誘う「もったいない消費」という言葉を筆者はよく使うが、これも「当選したのに目いっぱい買わないなんてもったいない」という心理なのだ。

 ちなみにGo To Eatのチケットを買うときに1万円分でいいと告げたら、店の人に念を押された。2万円まで買えますけどいいのですか、買えるのは1回だけですよ、と。きっと、ほとんどの人は目いっぱい買うのだろう。自治体のプレミアム商品券にいたっては1人2万円までなので、一家4人分で10万円分購入したという声も聞く。

 もはや、「こういう用途に使うために買う」より、「買える上限まで目いっぱい買う」が目的になっていないだろうか。

 こうして先払いした商品券には期限がある。期限を越えたらそれは紙切れとなってしまう。たっぷり入手した商品券を使い切るために、さほど必要でないものを無理に買ったり、どんどん外食を重ねたりするのは、それこそ「プレミアム付き商品券貧乏」的無駄遣いではないか。