【具体的なお悩み】

私は今35歳ですが、若い時から投資をしていて投資歴は15年になります。ここ4年は、確定申告ができるレベルの利益を上げられるようになりました。

また、生活費を補填(ほてん)するために、フリマアプリ「メルカリ」で不用品の処分も行っています。ふるさと納税もしていて、返礼品の食品を消費することで支出を抑えています。

投資先の企業から株主優待で「QUOカード」をもらうことも多く、これも食費などに充てています。

本業は地方の事務職員ですが、上意下達の社風であり、時間に追われるストレスフルな仕事です。過去に患った帯状疱疹(ほうしん)などの後遺症なのか、ストレスがかかる時期は皮膚を針で刺されるような痛みを感じることもあります。

そのため、仕事は早ければ3年後、遅くとも10年後には辞めたいと考えています。

プランターでの果樹栽培やベランダ菜園が趣味なので、近い将来、小さな庭付きの戸建て住宅を購入して、野菜や果物を育てる「のんびりライフ」を送ることが夢です。

田舎なので、住宅の費用は土地込みで3000万円程度になると思われます。一人でゆっくり過ごすのが好きで、性格的に結婚は諦めています。

こうした状況なのですが、私はいつ仕事を辞め、いつ家を建てると、生活苦にならずに生きていけるでしょうか。退職と住宅購入について、おすすめの時期をお伺いできたらうれしいです。

メルカリ取引も駆使し
支出額を抑えているが…

 Vさんの家計収支などを試算しながらご質問に回答していきますが、最初にお断りしておくことがあります。

 Vさんの相談文には「投資で利益を得ている」と書かれていますが、今回の試算には投資への拠出額や、投資で得た利益を織り込むことはできません。

 働いていれば必ず入ってくる給与とは異なり、投資による収益は不確実性が多いため、キャッシュフローには含めないのが一般的だからです。Vさんの投資実績をもとに筆者が利益を試算しても、必ずその通りになるとは限りません。

 また、Vさんが希望する戸建てのマイホームを購入すると、今のように多額の資金を投資に振り向けることが難しくなる可能性もあります。このため、今回の試算はVさんが期待している内容とは異なるかもしれません。

 その前提で、以降の試算を判断材料にしてください。

 Vさんの現在の年収は340万円ですが、額面の可能性もあるので、今回は手取額を285万円とします。

 月間の支出は14万円と書かれており、このうち生活費は7万円です。単純計算で1日に2300円程度しか使わないことになり、単身者の中ではかなり少ないと考えられます。

 前述した理由で、今回は投資に回す分を除いた上で、家計収支を試算します。毎月の生活費を年換算すれば84万円ですが、メルカリ取引などのやりくりも毎月うまくいくとは限りません。そうしたリスクも考慮して厳しめに想定し、年間支出を100万円とします。