ベスト経済書・ビジネス書大賞2024#5

特集『ベスト経済書・ビジネス書大賞2024』(全7回)の#5ではランキング3位となった『スタートアップとは何か』の著者である加藤雅俊・関西学院大学経済学部教授兼アントレプレナーシップ研究センター長に、スタートアップが生まれる環境をつくる上での、社会全体の起業や起業家に対する理解の重要さについて述べてもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

スタートアップが生まれるには
起業や起業家に対する理解が必要

 2年前に出版された前著の『スタートアップの経済学』の趣旨は、学生向けのテキストとしての側面があり、スタートアップがどのように研究されてきたのかについて網羅的に学んでもらうことでした。経済学やスタートアップに関わる方を中心に読んでもらえたと思います。

【第3位】ベスト経済書・ビジネス書大賞2024!『スタートアップとは何か』著者が語る「起業や起業家に対する理解の重要さ」加藤雅俊(かとう・まさとし)/一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。商学博士。現在、関西学院大学経済学部教授、同アントレプレナーシップ研究センター長。

 今回は、スタートアップに直接関わらない人を含めて幅広く読んでもらうことを意識しました。

 その理由として、起業家が登場して、スタートアップが生まれるには社会全体の起業や起業家に対する理解が必要なので、起業に無縁の方に起業の面白さを少しでも知ってもらいたかったからです。

次ページでは、加藤氏が起業や起業家に対する理解が、スタートアップが生まれる環境として必要であることを示す例や政府のスタートアップ支援の在り方について語ります。