韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、資格を800個以上取得、メディア登場回数が400件を超える『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』の著者である鈴木秀明氏にインタビュー。『7日間勉強法』は、1週間で覚えるべき情報を取捨選択し、短期で結果につなげる勉強法。それはまるで「引越し」作業のような方法で、本番に向けて、しり上がりに精度を高めていきます。この勉強法のほうが、韓国でマッチしそうな気もするが、著者は共に田舎育ち。似ている環境でありながら、両国最高峰の大学に合格。『勉強が面白くなる瞬間』は「環境」が1つのキーワードでもあるが、勉強に没頭できる人は、どんな環境でも結果を出せるのか?

なぜゲーム好きは、勉強体質が備わっているのか?Photo: Adobe Stock

勉強にのめりこむきっかけをつかむには?

なぜゲーム好きは、勉強体質が備わっているのか?鈴木秀明(すずき・ひであき)
資格・勉強コンサルタント
1981年8月4日富山県生まれ。独学で東京大学理科一類に現役合格。東京大学理学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。24歳でAll About「資格」ガイドに就任。行政書士、中小企業診断士、気象予報士、証券アナリスト、宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士をはじめとした800を超える資格をすべて独学で取得。年間50以上のペースで資格を取り続けている。資格ポータルサイト「資格・検定ラボ」を主宰するほか、ビジネス誌の資格特集の監修、テレビ、ラジオ出演など、メディア出演実績はのべ400回以上。資格試験の実施機関へのコンサルティングやプロモーション支援、問題作成支援などの活動も行う勉強法のスペシャリストとして多方面で活躍中。著書に、『効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法』『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ともにダイヤモンド社)がある。

ーー『7日間勉強法』こそ、韓国で受け入れられそうな試験対策の教本的存在。その対極にある『勉強が面白くなる瞬間』ですが、率直に読んでどう思われましたか?

 勉強法の本には、大きく2種類あります。テクニカルなことを書いてある勉強法と、なぜ勉強すべきなのかなどマインドに寄せた勉強法です。

『勉強が面白くなる瞬間』は後者のマインドに寄せた勉強法ですよね。「スパルタじゃん」「精神論じゃん」と言う人も中にはいるかもしれませんが、サブタイトルにある「読んだらすぐ勉強したくなる」は、誇張ではないですね。

「没頭して長時間やるほうが、毎日コツコツよりいい」――これは、『7日間勉強法』と共通するところがあります。

 毎日無理のない範囲で、少しずつ勉強をやる方法を推奨する本もあるけど、それだけでは絶対に身につかないことがあります。『勉強が面白くなる瞬間』には、それが書かれている。限界を超えてまでやってみて、初めて見えてくるものがありますからね。

 短期集中で結果を出すのが『7日間勉強法』ですが、やることはそれに近い。『勉強が面白くなる瞬間』は、学びの過程を楽しめればいいとあります。もちろん、それは理想だけど、きついことをやれる人がどれくらいいるかわからない。めちゃくちゃ集中して、ランナーズハイに似たものを得られるといいんですけど……。

「勉強がつらい」「勉強が大変」と言う人は、そもそもこれまでの人生でそれ以上に大変な経験をした機会が少ないから、そう思ってしまうのではないでしょうか。

 ですから、「限界を超える」とか、「何かに没頭してやりぬく」とか、早くに経験したほうがいい。それもゲーム感覚が大事。

ーー勉強をゲームのようにやるということですか?

 勉強に没頭できる人こそ、ゲーム好き。ゲームにハマる人は、徹底的にやりこむことを楽しいと思えるから。『勉強が面白くなる瞬間』の著者もゲームが好きだったみたいですし、それが手伝って、勉強を楽しみながらできたんじゃないかと思います。

 また、ゲーム好きな人は、苦行好きな人でもあるんですよね。レベル上げの単純作業にも地道に取り組めるとか、ただゲームをクリアするだけではなく、やり込める要素を全部クリアするとか。私が資格を取りまくる行為もそれに似ています。

 何でもいいから、とにかく、やりこむことです。目標を見つけられない人は、見つからないわけではない。本当は何らかの夢はある。ただ、自分には無理だと思っているか、その夢に本当に意味があるのかと考えてしまって、一歩を踏み出せないだけ。

 子どものころは皆、夢がある。大人になるとなくなるわけではなくて、心のどこかにはあるはず。他人から見ると何でもないような夢でもいい。庭にお城を作るとか、カードを集めまくるとか……。お金や時間が許すならやりたいと思っている夢があるはず。

 それをやって意味があるのかは、深く考えなくていい。ひとつのことをとことんやりきる経験をすることによって、勉強にハマる体質がおのずと出来上がります

 勉強に集中できない人は、まずは何か好きなことを徹底して取り組むという体験をしてみる。遠回りかもしれませんが、それが勉強にのめりこむ一つのきっかけになるかなと思います。

(取材・構成/編集部 武井康一郎)

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』をベースにした、インタビュー記事です)