11年前にもあった「美容代の代わりに男がおごれ」論争

 今回の発端はツイッターでフォロワー数の多いセクシー女優の女性が「デート代、なんで男が払わなくちゃいけないのって言葉 女性はそのデートの為に準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする 可愛いって言って欲しくて、その為に凄く早起きして準備してる それを考えた上で、女性に出してあげて欲しいって思う!」とツイートしたことだ(現在は削除)。

 男性が払うべきだという主張ではあるものの、女性が身なりにお金をかけ努力しているのだからという条件付きであり、自分と同じようなタイプの女性に限定して言っているようにも受け取れる。その点でも、筆者のように「この議論の蚊帳の外にいる」と感じる人は多いのではないだろうか。世の中、リップに4000円かけたり、初デートですごく早起きして準備したりする女性ばかりではない。

 30代半ば以上のネットユーザーであれば、11年前にもまったく同じ論争があったことを記憶しているだろう。当時美容サイトの編集長を務めていた女性が、自分の美容ケアに月に7万円かかっていたと明らかにし、「女の子は美容費が半端なくかかってるんだよ。それ計算したら釣り合うかもよ」と知人男性に語ったことをブログで明らかにした。

 この際も非常に物議を醸したとともに、「女性が全員こう思っているわけではない」という意見があったと記憶している。

 干支(えと)がほぼ一回りしつつあるのに、ネット上では同じ論争が繰り返されていることにむなしさがある。女性は男性より身支度に努力してお金をかけているのだからおごってほしいという意見が一部の女性から出たとしても、すでにおごられるのは当然ではない派の女性が多数であり、今からその世論がひっくり返るとは考えづらい。その結論ではダメなのだろうか……。