新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はテルモ、シスメックスの「医療機器」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
テルモ、シスメックスが
過去最高の実績
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の医療機器業界2社。対象期間は2022年8~12月期の直近四半期(2社とも22年10〜12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・テルモ
増収率:20.0%(四半期の売上収益2147億円)
・シスメックス
増収率:16.2%(四半期の売上高1047億円)
*オリンパスは23年3月期第2四半期より科学事業を非継続事業に分類しており、同じ基準で売上高を比較できないため、今回は非掲載とする。
いずれも前年同期比で2桁増収となった医療機器業界の2社。また、各社の増収率の時系列推移を見ると、2社とも「9四半期連続」の増収となっている。
好調の要因は何なのか。次ページで詳しく解説する。