異次元緩和では「期待」は起きず
賃金も上がらなかった
10年に及ぶ日本銀行の異次元緩和が節目を迎える中で大規模金融緩和を中心とした経済政策の功罪が改めて問われる。
この間、明らかになったのは、リフレ派が主張したように「インフレ期待」が経済を動かすこともなかったし、大企業や富裕層が豊かになれば中小企業や従業員にも富がしたたり落ちる「トリクルダウン」も起きなかったことだ。
そして黒田東彦総裁の下での金融政策では物価も賃金も上がらなかった。
黒田総裁は、当初は「物価が上がれば賃金が上がる」と言っていたが、物価は上がらず、2022年に入って資源価格などが急騰し本格的な物価上昇が始まると、今度は「賃金が上がらなければ安定的な物価上昇にならない」と、逆のことを言い始めた。
結局、大規模金融緩和で賃上げが起きていないし、ましてや「期待」で賃金は上がらない。
今春闘では自動車・電機などの大手企業で「満額回答」が相次いだが、継続的なものかや大規模緩和によるものなのかは怪しい。
賃金を上げるには別の政策が必要なのだ。