消費減税と財政拡大唱える
常識と「真逆の主張」の根拠は?
十年にわたる異次元の金融緩和のもとでも、日本経済は低成長から脱しきれず、一方で日本銀行が大量の国債を買い続けた結果、国債市場の機能が低下したり財政規律が緩んだりした弊害が目立ち、直近では世界的な金利上昇圧力の下で長期金利をコントロールしきれなくなっている状況だ。
日銀は4月の総裁交代を機に、徐々に政策転換を行わざるを得なくなったといわれ、また財政健全化を急ぐべきだという声も出ている。
こうした状況でも現代貨幣理論(MMT)の信奉者たちは、今は需要が不足しているのだから、国家は財政赤字の増大を恐れず、消費税を中心とする減税と財政出動の拡大によって対処するしかない、と主張している。
彼らが「常識」とは真逆の主張を続ける、その根幹には「政府貨幣論」があるが、疑わしい点がいくつかある。