一般的なキーボードキーの、アルファベットの配列は「QWERTY(クワーティ)配列」と呼ばれています。左上から右方向にキーを打つと「QWERTY」と打てることから命名されました。この配列の歴史は古くて、モールス信号に使われる符号のための配列が関係しています。キーボードには「ホームポジション」という、指を置く位置が決まっています。 左手は「A」「S」「D」「F」の位置、右手は「J」「K」「L」「;」の位置に指を置きます。実はモールス信号で多用するキーが、このホームポジションの位置に配列されているのです。
一方でかな文字の配列は「JISかな入力」と呼ばれます。よく使われるキーが人差し指で楽に押せる位置に配置されています。
長文になるほど
必要なタイプ数の差は開く
どちらの入力を選ぶかは個人の好みもあるでしょう。ただし、たびたび話題になるのがタイピング速度の勝負です。
素直に考えると、ローマ字入力の場合は文字を組み合わせて入力を行うため、キーを叩く回数は多くなります。その点、かな入力の方が速く打てるといえます。しかしそれはブラインドタッチができるか、それに近い程度の一定のレベル以上のタイピング能力を持つ場合に限るといえそうです。同レベルのタイピング能力者が対決をしたとしても、ブラインドタッチができるレベルなのか否かでも勝敗は変わるでしょう。
シンプルに考えてみても、「おはよう」という文字を入力したい場合、かな入力では4文字のタイピングが必要なのに対し、ローマ字入力では「OHAYOU」の6文字が必要になります。長文になればなるほど、必要とされる文字数の差は開いていきます。これはローマ字が母音と子音の組み合わせで入力する方法であるためです。
ただし、英文を打つ際は必然的にローマ字入力のキー配列の習得が必要となるので、どちらか一方を選ぶのであればローマ字入力で間違いはないでしょう。
2017年から開催されている、日本一のタイピング速度を競う競技タイピング大会があります。
その大会で3連覇を達成した優勝者のタイピング方式はローマ字入力でした。しかし、かな入力の方がタイピング量が少ないので有利な点は多くある、といったコメントを優勝者が残しています。