権田修一が子育てで「イエローカードを出す」ときとは?

 サッカー選手をやっていてつらいなと思うのは、息子の運動会や卒園式とか行事ごとは今まで小学校幼稚園合わせて多分9回ぐらいありましたが、1回しか行けてないことですね。

 学校行事に参加できないことに関しては心苦しいときもあります。ただ逆にその分子どもの思い出作りとして、僕の試合をできるだけ見に来てもらっています。いろんな街に旅行がてら行くとか、年末とか海外にサッカーを見に行くとか、いろんな経験をさせるっていうのは、心がけています。

 ただ、そういうコミュニケーションについては、多分、各家庭のやり方があって、近所を子どもと散歩しながら話すだけでもいいし、どこかに連れてかなくても子どもとできることはいくらでもあると思います。

 最近、子どもに何も言えないお父さんが増えているという話も聞くんですけど、僕はいい意味で対等であり続けることを大事にしています。一緒に楽しんで、一緒に悲しんで、一緒に遊んで、とにかくお父さん兼お兄ちゃん兼友達みたいな感じです。いつも息子とは俺ら相棒だよねって言い方をしています。

 ただ、できることをやらなかったときは怒ります。できないことにチャレンジしてできないのは全然いいんですよ。何でも多分そうだと思うんですけど、俺はできるっていう余裕の気持ちでやって、結局失敗するとかは怒ります。

 今朝もたまたま怒ったんですが、食べるときはテレビをつけちゃだめだよっていう我が家のルールがあります。でもWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をどうしても見たいと息子が言うので、「特別朝ご飯を食べながら見ていいよ」となったんです。けど、テレビを見ながらおかずをこぼし、こぼしたことに対して何も反省している様子もなかったので、ちょっと怒りました。普段だったらできるのに、それができない状況の場合はちゃんと言います。

 家で自分のことはできる限り自分でやるっていうルールがある中で、それができなかったときとかは、ゲームの時間を短くするなど、イエローカード(ペナルティー)を科します。厳しいときは厳しいかもしれません。

 僕は息子に正直、サッカーやってくれとも思わないんですよね。やりたいと思ったことをちゃんと見つけて、まっすぐ突き進んでくれればいいなと思う。ひとつのものを目標にして、それに対して努力するっていうことをやってくれればいいなと思っています。