中高年の帯状疱疹を
予防する方法

 帯状疱疹を発症すると、数週間も激しい痛みやかゆみに苦しめられる。予防する方法はあるのだろうか。

「現在50歳以上で、過去に水ぼうそうにかかった経験がある人ならば、帯状疱疹ワクチンによる予防ができます。ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。現代の50代はまだまだ働き盛りなので、元気に過ごすためにワクチンを打っておくのも選択肢のひとつですね。ただし、ワクチンを接種できない人や、基礎疾患を抱えていて接種の際に注意が必要な人もいるので、まずは医師と相談してください」

 また、日頃から免疫力を高める生活を送るのも、帯状疱疹予防につながる、と渡辺氏。

「免疫力の低下が発症のきっかけになるので、免疫力の維持を心がけましょう。食事の好き嫌いや運動不足、睡眠不足など、免疫力を下げる生活習慣を改善し、バランスの良い食事を取り、ウオーキングなどの運動習慣を取り入れるのが理想です。そのほか、音楽鑑賞や映画鑑賞、入浴などの自分の趣味や嗜好(しこう)に合ったストレス解消法を探すのもおすすめですね」

 高齢で帯状疱疹を発症するほど、痛みが長引くおそれもあるという。老後を快適に過ごすためにも、早めの帯状疱疹対策を心がけよう。

<プロフィール>
渡辺大輔(わたなべ・だいすけ)
愛知医科大学皮膚科・部長、皮膚科学講座・教授。名古屋大学医学部医学科を卒業後、皮膚科学とともにヘルペスウイルスの研究を行う。現在はヒトパピローマウイルス感染症である疣贅(いぼ)の治療、また帯状疱疹後神経痛(PHN)の分野にも興味を持つ。