体内時計の働きに着目し、「何を食べたか」だけでなく「いつ食べたか」も重視する「時間栄養学」が注目を集めています。これまで3回にわたって、時間栄養学の概要、朝食編、昼食編をお伝えしました。今回は、夕食に注目。健康やダイエットにつながる夕食の食べ方やタイミング、具体的なメニューを解説します。(管理栄養士 岡田明子)
朝食から12時間以内に夕食を取ると体重が減りやすい
人間の体内時計は、夜になると休息の状態へと切り替わっていきます。夜遅くに食事を取ると体内時計が乱れ、摂取した糖質や脂質が体内に蓄積しやすくなったり、臓器に負担がかかることで睡眠の妨げにもつながったりします。
前回の記事で説明した、脂肪合成を促進するタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」は、夕方以降に増え、午後10時から午前2時に増殖のピークを迎えるため、夕食は午後9時までには済ませるのが理想的です。
また、「朝食の時間から10~12時間以内に夕食を取った方が、体重や高血圧、悪玉コレステロールの数値が、より低下した」という研究データもあります。例えば午前7時に朝食を取った場合は、午後5時~7時までには夕食を済ませると理想的ということになります。
とは言え、このような時間帯に規則正しく食事をすることが難しい人も多いと思います。夕食時間が午後9時以降になってしまう人は、夕方午後4時~5時くらいに分食を取り入れ、夕食は軽めに済ませるとよいでしょう。分食をする際のポイントは、食事時間が遅くなるほど、血糖値が上がりやすくなるため、糖質を含む、主食(ご飯やパン、麺類など)を夕方に取り、午後9時以降の夕食は、タンパク質とビタミン、ミネラルが取れる、主菜(肉や魚)と副菜(野菜、きのこ類、海藻など)を食べましょう。