G7広島サミットで改めて
注目された経済安全保障
G7広島サミットは、ゼレンスキー大統領の電撃訪日を実現させ、5月21日に無事に閉幕した。
この間、中国は、「一帯一路」構想を宣言して10周年となる中で、中央アジア5カ国を招いた中国・中央アジアサミットを開催した。また、中国外務省は、G7共同声明が台湾海峡問題や、新疆・チベットや香港の人権問題を取り上げたことなどに「強烈な不満と断固たる反対」を表明、「地域の安定を傷つけ、他国の発展を抑圧している」と反発し、日本などに厳正な申し入れを行ったという。
このような中、G7では、経済安全保障セッションにおいて、中国を意識しながら、同志国間でのルール・枠組みに主眼を置き、(1)サプライチェーンや基幹インフラの強靱化、(2)非市場的政策および慣行や経済的威圧への対応の強化、(3)重要・新興技術の適切な管理を含め、結束して対応していくことを確認した。
そして、重要・新興技術の流出防止に焦点を当てれば、先端技術の流出を防止し、国際平和を脅かす軍事力増強への利用を防ぐために連携するとした。
日本には、先端技術・ノウハウを保有する企業や大学、研究機関が多数存在しているが、こうした技術・ノウハウを不当に入手して自国産業を強化したり、軍事技術に転用したりしようとする諸外国から狙われているのは周知の事実だ。