近年、盛り上がりを見せているラジオ業界。雑誌ではたびたび「ラジオ特集」が組まれ、テレビでも「ラジオ芸人」の企画もよく目にするようになっています。今年の2月にはニッポン放送「オールナイトニッポン」が55周年、TBSラジオ『JUNK』が20周年をむかえ、それぞれ大規模イベントを開催。大きな話題となりました。そんなラジオ業界を25年間、裏方として支えてきた、『JUNK』統括プロデューサーの宮嵜守史さんの著書『ラジオじゃないと届かない』(ポプラ社)より、ここ20年のラジオ業界の変化を紹介します。
この20年でラジオが変わったこと
深夜ラジオは受験生のお供……なんていう時代はとっくに終わっていて。46歳の自分でさえ、受験勉強中にラジオをつけていたかと言うと、半々くらい。クラスでラジオを話題にすることもほとんどなく、確実に聴いていると知っている下宿仲間としかラジオについては話さなかった。
それでも自分自身がラジオと出会ったきっかけは深夜ラジオだったので、この業界で働いてしばらくは“深夜ラジオは新しく生まれるラジオリスナーの玄関口”なーんて思っていた。一人の人が初めてラジオに触れるきっかけに深夜ラジオが存在していたらいいなと。ラジオを聴く喜びを初めて感じたきっかけになっていたら、なんて幸せな職業なんだろうと。
世の中はものすごいスピードで移り変わるもので、僕がこの仕事を始めて20余年、同一人物?ってくらいラジオは変わった。内的にも外的にも。この20年でラジオの何がどう変わったのか。個人的に感じた“ラジオが変わったこと”“ラジオに変化をもたらしたもの”を挙げてみたいと思います。