子どもがカッとなったら
やるべき脳科学テクニック1
子どもが泣き出したり、カッとなってしまったとき、どうしたらいいのか?
ここでおすすめするのが、世界的ベストセラー作家でもあるカリフォルニア大学ロサンジェルス校のダン・スピーゲル教授が提唱する「Connect(コネクト)& Redirect(リダイレクト)」です。[1]
「Connect(コネクト)& Redirect(リダイレクト)」とは何でしょう。
子どもの感情がたかぶっているとき、親は教えを説いてはいけません。
まずは、「Connect」(コネクト)する。
そう、子どもの心とつながってあげることが大切。
小さい子は抱っこしてあやしたり、背中をなでたりして気持ちを落ち着けてあげます。
ある程度言葉が通じる子なら、
「そうかそうか、嫌なんだね」
「おこったんだねぇ」
と、子どもの気持ちを察して言葉にしてあげましょう。
なによりもまず、子どもの気持ちを理解し、行動や言葉で伝えてあげる。そして子どもの気持ちをリラックスさせてあげるのが第一歩です。
子どもがカッとなったら
やるべき脳科学テクニック2
気持ちが落ち着いてきたら、今度は、「Redirect(リダイレクト)」。
これは、子どもの気持ちを「向き直す」ことです。
感情がたかぶっていたときを思い出しつつ、すぐやるべきだったこと、やってはいけなかったことを説明していくのです。
右脳での感情のオーバーヒートが落ち着いてから、未発達の左脳でも理解ができる落ち着いた状態で、丁寧に、やるべきことと、やってはいけないことを説明する。
これが、脳科学的に理にかなった子育て法なのです。
とはいえ、やるべきことをしない子どもを見ていると、こちらも感情的になってしまうもの。
そういうときこそ、「Connect(コネクト) & Redirect(リダイレクト)」を意識してやっていかなくてはいけません。
さらに、「Connect(コネクト) & Redirect(リダイレクト)」には非常に大事な効果があります。
それは、子どもが自分自身で心を落ち着ける癖を身につけやすくなることです。
大人も子どもも初めてのことを身につけるには、トレーニングが必要。
やみくもにボールを投げても、なかなかうまくできません。
スポーツと同じように、うまく投げられる人にサポートしてもらいながら、練習するのです。
感情がたかぶってしまったときに、自分で落ち着けるようになるのも、子どもが身につけるべき大切なスキルの一つ。
ただ、これは大人でも難しいので、子どもにはとっても難しい。
ですから、背中を撫でたり、励ましたりして、子どもと「Connect(コネクト)」することで、子どもが自分を落ち着けるサポートが大事になってきます。
そして、そのサポートは、子どもを甘やかしているのではなく、将来、子どもにとって大きな武器になるのです。
今日からは、子どもがカッとなったときは「大チャンス」だと思って、決して説教をせず、「Connect(コネクト) & Redirect(リダイレクト)」するほうが、子どもが自分の感情をコントロールできようになるのです。
『スタンフォード式生き抜く力』には子育てをするときに、大切なマインドセットと具体的なトレーニング法が書かれています。私の初の著書として出し惜しみなく、書き尽くしましたのでぜひご活用ください。
【参考先】
*1. Siegel, D. J., & Bryson, T. P. (2011). The Whole-Brain Child: 12 Revolutionary Strategies to Nurture Your Child's Developing Mind. New York: Bantam Books.