キャッシュレス決済はいちいちお札や小銭を数える必要がなく、手軽に決済できるのがメリット。「ポイ活」という言葉もあるように、ポイントが溜まっていくのも魅力だ。一方、現金を使う人の中には、キャッシュレスではものを買ったという実感がなく、お金を使い過ぎるのではないか、という懸念を持っている人もいるようだ。

 では、現金派とキャッシュレス派で、実際にお金が貯まりやすいのはどちらだろうか。イメージとしては、現金派が危惧するように、キャッシュレス派のほうが浪費しているようにも思える。

 ところが、カード会社JCBの調査によると、現金派の平均年間貯蓄増加額が34.2万円なのに対し、キャッシュレス派はその倍以上の83.2万円。平均貯蓄目標額も現金派が178.3万円で、キャッシュレス派は325.4万円と倍近くもあった。

 両者の貯蓄額が違うのは、キャッシュレス決済にすると家計簿アプリなどでお金の流れが「見える化」され、家計を把握しやすくなるのも大きな理由かもしれない。

 データで示された事実として、キャッシュレス派は無駄づかいが多いというのはかん違いだった。これから、世の中の流れはますますキャッシュレス決済に傾くのは間違いない。現金に固執することなく、クレジットカードやデビットカードも取り入れてみてはどうだろう。

お金を出し渋るのが「ケチ」。
不必要なことにお金を使わないのが「倹約」

 お金はどのように使うのが正しいのか、どうすればどんどん貯まっていくのか。まずは世界の大富豪の逸話を紹介しよう。

 マイクロソフト社の共同創業者、ビル・ゲイツはある支払いの際、いろいろなポケットを探ってクーポン券を探し回り、ほかの客を待たせたことが知られている。また、出張先でホテルに泊まる際、スイートルームを用意されると怒り出し、「ベッドとインターネットさえあればいい」と言ったという。

 類は友を呼ぶのか、ゲイツの友人で著名な投資家、ウォーレン・バフェットにも同じようなエピソードがある。あるとき、2人はゲイツが大好きなマクドナルドでランチを取った。「おごるよ」と言ったバフェットがポケットをさぐり、取り出したのはクーポン券。それを見て、ゲイツは楽しそうに笑ったという。