大富豪たちとクーポン券、あるいはホテルの質素な部屋。あまりにも似つかわしくないが、これは「ケチ」というよりも、「倹約」といったほうがいいだろう。

 どちらも似たようなものだと思うかもしれない。お金を出さないのは同じだが、根本的な部分でまったく違う。倹約というのは、無駄な出費を嫌うことをいう。その一方で、必要なものにお金を出すのは惜しまない。クーポン券が好きだが、慈善事業に大金を投じるゲイツは、典型的な倹約家といっていいだろう。

 これに対して、ケチというのは、必要なものにもお金を出したがらない人を指す。使う目的にかかわらず、とにかく財布からお金が消えていくのが嫌なのだ。

「消費脳」ではなく「投資脳」で考えると、
お金は使ったほうが増える!?

 お金に関連して脳のタイプを考えると、大きく3つに分けられる。最もお金持ちになれないのが「浪費脳」の人だ。給料が入ったら使うことを第一に考えるタイプなので、お金はまったく貯まらない。

 次に良くないのは、「消費脳」に指令されて動く人。「お金は使ったら減る」と考えるタイプで、給料が入っても本当に必要でないことにはなかなか出費せず、なるべく節約をしようとする。

 どうして、この「消費脳」が良くないのか?と疑問に思う人もいるのではないだろうか。無駄なお金を使わず、節約しようとするのはいいことではないか。これがお金を貯める一番のコツだろうと。

 そのように思うのも無理はない。しかし、「消費脳」の人はコツコツお金を貯めることは可能だが、大きな貯蓄がなかなかできないのだ。

 例えば、近所の公民館で、資産運用に関するセミナーが開催されることになった。

 興味はあるものの、参加料金が2500円かかる。それならやめておこうか、と考えるのが「消費脳」を持っている人だ。

 これに対して、参加料の出費を何とも思わず、積極的にセミナーに参加する人たちもいる。これが最もお金を貯めることのできる「投資脳」の持ち主だ。現在だけではなく、未来における損得も視野に入れ、「お金は使ったら減る」のではなく、「お金は使ったら増える」方向で考えて行動するのだ。