「GPT-4」に“百家争鳴”
欧米では規制強化の動き
対話型AI(人工知能)サービス「ChatGPT」を開発しているOpenAIが3月半ば、そのベースとなる、新たな言語解析・生成モデルGPT-4を公開した。
これまで「ChatGPT」のベースになっていたGPT-3.5よりも飛躍的に、人間の言語を解析する能力が向上したとされており、一部のマスコミでは、これでAIが人間の知性を超える「シンギュラリティー」の到来が決定的になったと話題になっている。
おりしもOpenAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が来日、岸田文雄首相と面会し、日本での事業展開に積極的な姿勢を示した。
だが一方で、「ChatGPT」への“逆風”も強まるばかりだ。
これまでシンギュラリティーの先導役とみられることが多かったイーロン・マスク氏が、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアックや『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリら、多くのAI関係の知識人・実業家と共に、これ以上の性能を備えたAIの開発を一時停止すべきとの声明を発表。
これに呼応するように、イタリアはGPTシリーズをベースにしたChatGPTの使用禁止を決め、EU諸国やアメリカも強い規制を検討している。日本の文科省や与党も徐々に動き出している。
一体何が起きているのか。