インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書だ。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。
10年、20年と長期で積み立て投資をすれば、
それなりの利回りを上げられる
積み立て投資では、「いつ買い始めるか」を気にする必要もありません。
下図をご覧ください。このグラフは、全世界の株式に20年にわたって毎月1万円ずつ積み立て投資をした場合の投資成果を示したものです。
上のグラフの一番左を見ると、1987年12月に積み立て投資をスタートして20年間続けた場合、240万円の元本が637万円に増えたことがわかります。
注目していただきたいのはその1つ右側の棒グラフで、1988年12月に積み立てを開始した場合のデータです。20年後はちょうどリーマン・ショックが起きたタイミングですから、世界の株価が大暴落していたわけですが、それでも275万円に増えています。
もちろんこの場合、リーマン・ショック後も運用を続けていけば、いずれ相場が回復して、もっと資産が増えていたはずです。
リーマン・ショックの暴落時でさえこのような結果になるのですから、過去の実績を見る限り、長期で積み立て投資をすればそれなりの利回りを上げられると考えてよいでしょう。