ラピダスの半導体事業は、機動戦士ガンダムの「ジム」を見習え超最先端ロジック半導体を作ろうと企図するラピダスを見て思い浮かぶのは、『機動戦士ガンダム』の物語だ
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ラピダスの事業戦略で思い出す
地球連邦軍の「V作戦」

 2019年5月に掲載した当連載の記事で「ジオングに脚をつけたがる日本企業が、中国企業に後れをとる理由」という、日本のエレキをアニメの『機動戦士ガンダム』に例える無謀な企てを行い、ネットではコアなガンダムファンから叩かれた筆者が、無謀にもまた、日本の半導体産業復活の方策をガンダムになぞらえようとする記事をお届けする。またもや、ガンダム世代以外の読者を置き去りにする論考である。

 Rapidus(ラピダス)は2022年8月に、経済産業省の音頭のもとで日本の主要企業8社が出資する形で設立された半導体開発生産企業で、2020年代後半にビヨンド2ナノの超最先端ロジック半導体を作ろうと企図している。しかも、少量多品種生産を目指すという。

 これを見て筆者は、「ファーストガンダム」の物語における地球連邦軍のV作戦を思い浮かべた。ガンダムの世界では、地球連邦軍が国力が30分の1のジオン公国に戦争を仕掛けられ、戦争序盤であっけなく敗退しまくるわけだが、ジオンの強さは、新型兵器であるモビルスーツのザクにあった。

 これは、もともと月面作業用の有人ロボットを兵器に転用したもので、基本は量産型であり、モビルスーツの数にものを言わせてスペースコロニーを地球に落とすなどの荒っぽい戦いを行い、地球の都市の多くもジオンの支配下に置かれた。

 それに反抗すべく、地球連邦軍はサイド7というスペースコロニーでV作戦という新型モビルスーツ開発を極秘裏に行う。その試作機がファーストガンダムの主役、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクだ。

 テレビアニメでは毎週のようにガンダムが活躍して、ジオンのザクよりも圧倒的に高性能なガンダムが、主人公のアムロ・レイという素人同然のパイロットの操縦にも関わらず、毎週のようにがんがんザクを倒していく展開となっている。そう、ガンダムはとてつもなく製品差異化がされたモビルスーツで、そのことはランバ・ラル大尉と戦った際に、「そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな」とアムロが釘を刺されるほどであった。