年を重ねると、若い時と違って食べられなくなった、お酒に弱くなったと感じる方は多いのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて、いつまでも若々しい「体づかいの名人たち」の知恵をお伝えします。
『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。体のゆがみを正しい位置へ戻し、筋肉や関節のコリをリリースして、不調を根本から取り除くワークだ。
今回も著者の矢上真理恵さんと対談してくださったのは、「自力整体」の生みの親・矢上裕さん。矢上真理恵さんのお父様でもある矢上裕さんは35年前、鍼灸師・整体治療家として治療しながら、効果の高い施術を自分におこなえるように改良し「自力整体」を完成。著書は25冊を超えます。(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

70代の整体プロが驚く、いつまでも若々しい「体づかいの名人たち」から学んだ3つの知恵とは?

整体治療家としてスタートした20代の頃ではわからなかった体の感覚

――今回は「自力整体」考案者・矢上裕先生にもご参加いただき、若さと健康を保つ知恵についてうかがいます。

矢上真理恵(以下「真理恵」):父の教室には30年以上通っている生徒さんもたくさんいらして。みなさん「自力整体」で体・心・食を整え、人生を楽しんおられます。

矢上裕(以下「裕」):そうですね。私も生徒さんたちと一緒に年を重ねていったわけです。

 私は今年70歳になり、整体治療家としてスタートした20代の頃ではわからなかった体の感覚を味わっています。たとえば若い時と違って食べられなくなった、お酒に弱くなった、贅肉がつきやすくなった、暑さ寒さに弱くなった、新聞をめくるときに唾を付けるほど皮膚が乾燥しやすくなったなど。そのように感じる方は多いのではないでしょうか?

 そんな世代に向けて、私が見てきたいつまでも若々しい「体づかいの名人たち」の知恵をお話ししましょう。

「自力整体」の教室にやってくる中高年の方々の多くは、最初は体のどこかに痛みがある、不調があるという方ばかりです。とくに足腰・ひざの痛みの方は、7割を超えます。

 そしてその方たちは、整形外科に行ってレントゲンを撮ると、「老化ですね」と言われます。

 老化であれば、だれでも平等に「足腰・ひざの痛み」が出るはずです。しかし、痛みが出ない中高年もいますから、どこかにそのヒントがあるはずです。

 そんな方たちを、私は尊敬を込めて、「体づかいの名人たち」と呼んでいます。

 私の長年の指導体験と「体づかいの名人たち」から知り得た情報から、どのような方が「足腰・ひざの痛み」とは無関係な年の重ね方をしているかを述べていきます。

――ぜひ教えてください。

70代の整体プロが驚く、いつまでも若々しい「体づかいの名人たち」から学んだ3つの知恵とは?矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗