GW明けに要注意、5月8日以降、コロナにかかると医療費が高くなる!5月8日以降、コロナで重症化し入院すると約8万円の医療費が自己負担になる Photo:PIXTA

ゴールデンウイーク明けから、これまで基本的には無料だった新型コロナウイルスの治療費が、コロナが5類感染症に移行するのに従い自己負担分が増える。外来での治療費負担は1100~1500円程度増え、重症化して入院すると8万円程度を自己負担することにもなりそうだ。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第259回では、今後大きく変わるコロナ治療の医療費について詳しく見ていこう。(フリーライター 早川幸子)

新型コロナの感染症法上の分類が
2類相当から5類に引き下げられる

 ゴールデンウイーク明けの5月8日から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の医療費の自己負担がアップする。

 COVID-19の感染症法上の位置付けが、「2類相当」から「5類感染症」に移行することに伴い、医療費の自己負担分に対して行われていた公費負担が見直されることになったのだ。

 ただし、急激な負担増を避けるために、高額なCOVID-19の治療薬の費用などは、当面の間、公費負担が継続される。

 このゴールデンウイークが明けた後、コロナ治療に関する医療費の自己負担はどのように変わるのだろうか。詳しく見ていこう。

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」では、原因となる病原菌の感染力、罹患した場合の重篤性などのレベルに応じて、国や自治体が必要な対策を講じるために、「1~5類感染症」「新型インフルエンザ等感染症」「指定感染症」「新感染症」に分類している。

 COVID-19の病原菌は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)というウイルスで、その感染力の強さや死亡リスクの大きさから、2020年1月、「指定感染症」として対策が取られることが決定。まん延を防ぐために、陽性者の全数把握、陽性者に対する入院の勧告・措置、感染拡大防止のための就労制限、建物への立ち入り制限、交通の制限など、「2類感染症」以上の厳しい措置が行われることになった。

 そして2021年2月。収束の気配を見せないコロナ禍に対応するため、COVID-19は感染症法上の位置付けが「新型インフルエンザ等感染症」に変更され、期限の定めなく、必要な対策が取られることになった。国や自治体が取る対応策は「指定感染症」と同じで、外出自粛の要請や入院の勧告などを伴う2類相当の厳しい措置が続いていた。

 その後も感染拡大は続いていたものの、2022年秋頃には、パンデミック当初と比べて、重症化する人や死亡する人の割合が低下するようになる。また、長びくコロナ禍で業績悪化が続く経済界からは、早期の正常化を求める声が大きくなっていた。

 そこで、2023年1月27日、国は、COVID-19の感染症法の位置付けを、季節性インフルエンザや肺炎球菌などと同じ「5類感染症」に引き下げることを決定。「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が改定され、まん延防止策や水際対策などが、大きく変更されることになった。

 ただし、自治体や医療機関などの準備に支障が出ないように、移行時期は、統一地方選がある4月やゴールデンウイーク中を避け、連休明けの5月8日に決まった。そして、これまで公費負担となっていた医療費についても見直されることになったのだ。

●70歳未満で通院での治療自己負担額は、5月8日以降は1100~1500円程度アップ。入院すると8万円程度を自己負担することに。
●緩和措置が9月まで取られるが、10月以降はさらに負担増の可能性も