拡大が止まらない政府債務
23年度防衛費増額財源も税外収入
2023年度の政府予算によると、国の一般会計から114.3兆円の支出が予定される一方、税収の予定額は69.4兆円しかなく、残りの大半は公債金(借金)で賄うことになっている。
税収の空洞化を象徴するのは、5年間の大幅増額の1年目となる防衛費の財源だ。
自民党内などからの増税への反発で、23年度の増額分はすべて税以外の収入を充てることになっている。
現在、24年度以降の財源確保の方法が国会で審議されているが、これも特別会計の剰余金や国有財産の売却収入をもとにした「防衛力強化基金」から捻出しようというものだ。
国の安全を守るための費用ですら恒久的な安定財源を確保しようとしないのだから、政府債務が膨張するのは当然だ。
対GDP比で測った日本の政府債務残高は主要国中で突出して高いが、個人所得税・消費・物品税負担は最低だ。
こうした財政運営が定着してしまったのは、日本の民主政治の根深い問題が関係する。