新年度が始まりGWも終わったのに、中学受験をする予定のお子さんの成績がいまひとつ芳しくない。あるいは、伸び悩んでいる。そんな方は、お子さんの「ノート」に注目してください。約20年間、2000人以上の受験生を指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は「ノートをひと目見ると、その子の学力や伸びしろがわかる」と言います。ノートとは、思考を整理して、それを自分や相手(採点者)に伝える基本の道具。しかし、子どもはもちろんのこと保護者ですら、ノートの価値を低く見積もって正しい使い方を知らないために、受験勉強で伸び悩んでいる子は多いのです。安浪京子先生と4人のベテラン講師が、中学受験生に向けて、数・国・理・社の4教科の正しいノートの作り方を解説し、「こんなちょっとのことで本当に点数があがるなんて!」との感激の声が寄せられている話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)

【中学受験】<br />要注意! 2000人以上を指導してきたカリスマ教師が教える「伸び悩む子」の共通点Photo: Adobe Stock

お子さんのノート、こんな兆候ありませんか?

 図形や線分図が解けない子のノートを見ると、線が波打っていたり平行四辺形が正方形になっていたり、4分の1と書かれているのに2分の1程度の比率で書いていたりします。

 このように、適当に書くことによって、誤った視覚イメージに支配され、答えを間違えやすくなるのは言わずもがなですが、ここで子どもを怒るのはちょっと待ってください。実は、6年生であっても、そのずいぶん手前でつまずいているケースが意外とあるからです。大人は当たり前だと思っていることを子どもは知らないということは結構あります。

子どもが意外と知らないポイント

①線には書き順がある
基本的に漢字の書き順と同じく、「縦線は上から下」「横線は左から右」に引きます。これは、線の着地点の見当をつけ、鉛筆の先をそこできちんと止めるためです。逆向きに引くと、手が鉛筆の先を隠してしまい、線がフニャフニャになったり、ゆがんでしまいます。

②情報は問題文に出てくる順に書き込む
数字や情報は問題文に沿って書き込んでいきます。しかし、子どもは“目についたものから”書き込んでいくため、記入漏れが生じます。
難問の場合は問題を読んで俯瞰してから書き始めることもありますが、それは6年生の最上位クラスの話です。基本的には、順番にひとつずつ図形や線分図に書き込んでいきます。

③バランス
大きさや割合、平行や直角といった概念がなければ正確な図は書けません。また、概念を持っていても、面倒くさいとその通りに書かないのが子ども。“これらの概念に忠実に書かねばならない” “そうしないと、間違いやすく、失点する可能性が高くなる”ことをわからせ、徹底するようにします。

“書き方”を改めれば思考が正されます。本書ではこれらのことを分かっているかのチェック項目も用意しています。親御さんがぜひチェックしてあげてください。

「ノート術」は中学受験はもちろん、大学受験やその後の人生でも、“一生使えるアプトプット術”の原点です。「中学受験必勝ノート術」を参考に、ぜひお子さんに教えてあげてください。

*本記事は、「中学受験必勝ノート術」から、抜粋・編集したものです。