ちなみに、住友金属に進んだ山中氏は社会人野球を代表するピッチャーとして活躍し、現役引退後は日本代表チームの監督として1992年のバルセロナオリンピックで銅メダルを獲得しています。歴史に「もしも」はないとはいえ、山中がプロ入りしていれば、通算200勝を挙げていてもおかしくありません。ですが、「自分のボールはプロでは通用しない」とネガティブサイドに目が行ってしまう思考様式はプロ向きではなかったのでしょう。
大谷翔平の次のような言葉と比較すると、そのコントラストは一層明らかになります。
「どうしてできないんだろうと考えることはあっても、これは無理、絶対にできないといった限界を感じたことは一度もありません。今は難しくても、そのうち乗り越えられる、もっともっと良くなるという確信がありましたし、そのための練習は楽しかったです」
皆さんもよくご存知のグローバルなスポーツメーカー「ナイキ」は広告キャンペーンで「ジャスト・ドゥ・イット(JUST DO IT!)」という有名なスローガンを掲げています。このスローガンを日本語に意訳するならば、「とにかくやろう!」「思い立ったら、即行動!」といったところでしょうか、大谷翔平はまさにこの「ジャスト・ドゥ・イット」を実践し続けているのです。
(中略)
「なんとかなるだろう」
この言葉、思考を放置してしまうことでは決してありません。常に自分自身の可能性を信じてチャレンジ精神を持っているからこその「なんとかなるだろう」なのです。以下、ハイパフォーマーの思考・行動様式から見られる心得のまとめです。
1「どうしてもやりたいこと」を持つ
インタビューに答えていただいた皆さんに共通すること、それは自分の好きなこと、得意なことを仕事にしているということです。「自分が何をやりたいのか、なかなか見つからない」という悩みを持つ人も少なからずいらっしゃると思いますが、好きなことがない人は皆無でありましょう。
「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものです。ハイパフォーマーの方々はご自身の好きなことを掘り下げて、仕事につなげていっています。
皆さんも興味のあること、好きなことを掘り下げてみてはいかがでしょうか。