チャットGPTも加入に迷う医療保険

 お金の問題だけなら、たぶん医療保険に払ったコストの元は取れない。しかし、人間は年齢とともに健康面に不安が募り、加入している医療保険をやめる決心はなかなかつかないものだ。

 データ上は短期入院が多くても、病気やケガによっては長期入院になるかもしれない。「これまで払ってきたのに、一度も給付金を受け取っていないなんてもったいない」という心理が働くせいもある。筆者自身、もうやめてもいいかと考え、自前で医療費積み立てを始めたものの、まだ解約はしていない。いわゆる現状維持バイアスというやつだ。

 このように一度加入してしまうとやめにくいので、やはり最初にじっくり検討すべきだろう。預貯金の状況、家族構成などを伝えて、FPなどの専門家に相談するのもいい。

 ついでに、なんでも答えてくれると話題のチャットGPTにも聞いてみたところ、次のような回答だった。

「民間の医療保険に加入するかどうかは、個人の状況によって異なります。まず、公的医療保険に加入しているかどうかを確認してください。公的医療保険に加入している場合は、民間の医療保険に加入することは必ずしも必要ではありません。ただし、公的医療保険だけではカバーできない医療費用がある場合や、高額な医療費が予想される場合は、民間の医療保険に加入することを検討することができます。

 さらに、保険の内容や条件も確認する必要があります。保険の内容や条件は保険会社によって異なります。自分が加入したい保険が自分自身のニーズに合っているか、またその保険が提供する保障範囲が十分かを確認する必要があります。

 総合的に判断すると、自分自身の状況やニーズに合わせて、民間の医療保険に加入することが適切である場合もあるかもしれません。ただし、慎重に検討し、保険会社や保険の内容・条件を確認することが重要です」

“民間の医療保険に加入することが適切である場合もあるかもしれません。”――とはなんとも歯切れが悪い。チャットGPTすらも迷うのだ。賢いAIにもスパッと結論が出せない命題なのである。