ロールスロイス初のEV「スペクター」試乗記、エンジンモデルとの違いは?スペクター・プロトタイプ試乗中の筆者。

 それにしても、ロールス・ロイスのユーザーは、そもそもEVを歓迎するのだろうか? ミュラー・エトヴェシュCEOにそう尋ねると、こんな答えが返ってきた。

ロールスロイス初のEV「スペクター」試乗記、エンジンモデルとの違いは?ボディサイズは全長5453×全幅2080×全高1559mm、ホイールベースは3210mmとなる。

「ロールス・ロイスのオーナーは、何台も、ときには何十台もクルマを所有されています。そして、その多くの方々がすでにポルシェ タイカンやテスラなどのEVを購入しており、ご自宅のガレージに充電用ウォールボックスを備えています。つまり、皆さんはEVのことをよく承知したうえで、『ロールス・ロイスのEVが欲しい』とおっしゃっているのです」

 ちなみにロールス・ロイスの調査によれば、オーナーの94%は1週間に150km以上乗ることはなく、年間走行距離が3000kmを超えるケースはほぼ皆無という。

ロールスロイス初のEV「スペクター」試乗記、エンジンモデルとの違いは?一回の充電での走行可能距離は520kmとされる。

「それに、もしも長距離ドライブにでかけるのなら、それに適した別のモデルに乗られることでしょう」とミュラー・エトヴェシュCEO。ちなみにスペクターの1充電あたりの航続距離は520kmなので、少なくともロールス・ロイスオーナーに限っていえば「EVは航続距離が短くて不便」という不満を覚えることはないだろう。

文=大谷達也 写真=ロールス・ロイス・モーター・カーズ 編集=iconic

ロールスロイス初のEV「スペクター」試乗記、エンジンモデルとの違いは?