砂利化した「床版」砂利化した「床版」。画像の上側が補修後のもので、下側が砂利化して鉄骨がむき出しになっている状態 画像提供:阪神高速道路

アスファルト下「床版」が砂利化!?
路面陥没など重大事故につながりかねない

 神戸線は、西行き(下り)の場合、月見山出口から第二神明道路、加古川バイパス、姫路バイパスへと続く。また、明石海峡大橋や淡路島を経由して四国方面へ通じるルートでもあり、各方面へのトラックの通行もかなり多い。

 しかし、神戸線(京橋~摩耶)は1968年の開通から50年以上が経過し、至るところで老朽化が進んでいる。1日9.3万台(2019年度)ものクルマが走行し、その振動がアスファルト下の「床版(しょうばん)」と呼ばれる部分にダメージを与え続けているという。

 今回の工事区間では、2カ所で床版の一部が砂利化し、床版の厚みが薄くなっているそうだ。このままでは床版が抜け落ちて、路面の陥没など重大事故につながりかねない。床版を確実に撤去・補修するためには、「物理的に通行止めが必要となってしまう」(阪神高速道路)とのことだ。

 また、床版だけでなく、路面をつなぐジョイント部分の撤去・削減(ジョイントレス化)も行われる。近年ではアスファルト舗装の上部自体を連結する、橋桁や床版を連結するなど、さまざまな方法でジョイントレス化が可能となっているそうだ。このジョイントレス化を施すことで、走行時の「ガタガタ」「ゴツン!」といった衝撃が和らいだり、バイクのスリップ事故の軽減につながったりする。工事後はきっと格段に走りやすくなっているだろう。

 阪神間をつなぐ大動脈である神戸線だからこそ、老朽化の進行は早い。大規模リニューアルは必須で、特に砂利化した床版は小手先の対応で何とかできるものではなく、「安心・安全・快適な道路を100年先まで」(阪神高速道路)と考えると、19日間もの通行止めを伴ってでも、「やるなら今!」「後には回せない!」といえるだろう。

 もちろん同社では、少しでも通行止め期間を短縮するために、部材をすぐ切断できるよう周辺のコンクリート撤去を先行して実施するなど、さまざまな試行錯誤を重ねているそうだ。

 さて、5月19日午前4時~6月7日午前6時の工事期間中は、ドライバーはどう移動すればいいのだろうか。最適解は「クルマ移動しない」だが、「そういうわけにもいかない…!」という読者のために、いくつかの回避方法を考えてみたい。