関関同立生は関西本社の企業
MARCH生はIT業界に注目

 関東の有名私大グループであるMARCHと関西の有名私大グループである関関同立のランキングを比較すると、MARCHではSCSKや日本IBM、伊藤忠テクノソリューションズやNECといったIT業界の企業が関関同立と比べて多くランクインした。

 一方、関関同立のランキングでは、京都大学と同じくサントリーや関西電力、パナソニックが登場するが、京大生のランキングでは登場しなかった京セラや村田製作所、クボタといった関西に本社がある企業がランクインしたのが特徴といえそうだ。

 MARCH生、関関同立生が注目した企業ではどういった働きがいや成長環境があるのか、新卒入社した社員のクチコミ(原文ママ)から見てみよう。

「若手向けのキャリア開発プログラムが存在しており、未経験のエンジニアを育成する環境は整っていると感じる。(SE、男性、SCSK)」

「自分の携わる大規模な案件が、実際の暮らしでその影響力があることを毎日感じることができるためモチベーションにつながっている。(SE、女性、伊藤忠テクノソリューションズ)」

「生産現場における原因系の多角的な分析能力、アクションにおける費用対効果の算出は、現場職であれば自ずと身につくものであるのでどの企業でも活かせる点ではある。その上でプロジェクトチームの一員としての必要不可欠な役割を持てるようになればどこに転職しようと困らないと思う。(技術職、男性、京セラ)」

「企画をする上で全ての提案内容において、数値的根拠や論理展開プロセスを問われることが多かったため、社会人のベーシックスキルは取得できた。近年DX関連でデータマネジメント改革やシステム導入をするなど、業務を大きく変えるタイミングであったため、ストレッチした業務内容・目標を掲げることが多かった。これにより成長機会も増えたと感じる。(企画、女性、村田製作所)」

 注目度が高い企業の共通点としては、「20代成長環境」への社員からの評価が高いことが挙げられる。(上位5社中4社は「20代成長環境」の社員評価スコアが4.5超)。実際に企業の採用サイトをのぞくと、「早期から裁量権が与えられる」「20代のうちにリーダー職になる人が多い」といった発信が多く見受けられる。

 その理由として、転職前提の就職活動という若い世代のキャリア観、ジョブ型雇用の推進などによるキャリア初期におけるスキルセットへのニーズの高さが背景にあると考えられる。今後、若手の裁量権の大きさに関する注目度は増していくだろう。