冒頭が「I am」ばかりになってしまう
ネイティブスピーカーはどうしてる?
この問題は、英語の文法に深く関わっています。英語は日本語と違い、基本的には、主語がないと文章が成り立たない構造です。そのため、同じことについて話し続けていると、文章の頭にくる主語がいつも同じ言葉になりがちなのです。
そのため、言葉を変えて表現するといいでしょう。例えば、「自分の会社」について話すときに、“Our company”(わが社は)という表現のほかに、“the company”(この会社)や“◯◯◯◯(会社名)”など、さまざまな言い方で「自分の会社」を表現します。それによって、「自分の会社」について話し続けていても、冒頭の主語が毎回同じになることを避けることができます。
でも、これが自己紹介となると、案外難しいのです。例えば、上記の「自分の会社」の言い換えのように、「私」を言い換えてみようにも、自分のことを“This person”(この人)や“◯◯◯◯”(自分の名前)と言うのは、妙な感じですよね。
果たして、英語のネイティブスピーカーはどうしているのでしょうか? 観察してみると、冒頭が毎回同じにならないよう、文章の構成を変えているのです。
例えば、“My hometown is 〜”(故郷は〜)と、主語そのものを「自分」以外の表現に置き換えたり、“When I have free time 〜”(時間があるときは〜)、“As for my family 〜”(家族についてですが〜)、 “During my college years 〜”(大学時代は〜)のように、前置きを挟むことで、冒頭に変化をつけています。
このようなことは、英語を母国語とする人たちにとっては感覚的にできることなのでしょうが、非ネイティブである私たちは、話しながらその場で即座に考えるのは、少々ハードルが高いかもしれません。そのため、英語で会話をするときは、事前にこうしたパターンをいくつか頭に入れておき準備しておくと、気持ちも楽かもしれませんね。
とはいえ、相手が関心を持っているのは「英語の表現」ではなく、あくまで「話の中身」です。あまり難しく考え過ぎず、自己紹介や相手を知るための表現を少しおさらいしたら、あとは積極的に話しかけてみてください。新しい環境で周りの人たちと早く打ち解け、円滑な関係性が築けることを願っています。