フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズは、人工知能(AI)ブームに乗じようとする取り組みに破壊的影響を与える可能性がある。ただし、その影響は一部、偶然もたらされたものだ。
メタは2月、同社が開発した先進的なAI言語ソフトウエアを限られた人数の研究者のみが利用できるようにした。それを使用すれば、話題の「ChatGPT(チャットGPT)」のようなチャットボット(自動会話プログラム)の開発が可能になる。しかし、誰かがそのコードを公開したことで、マイクロソフトやグーグルなどのハイテク企業が売り込もうとしているチャットボットにいつか対抗できそうな米国産のツールが複数登場し始めた。オープンAIが昨年11月にチャットGPTを一般公開して以来、その種のソフトウエアが急速に進歩しているが、今回、予想外の展開を迎えている。
メタのAI研究担当バイスプレジデントを務めるジョエル・ピノー氏によると、同社は過去にAI技術の一部を公開していたが、当該ソフトウエアについては利用者を制限し、研究者は評価できるようにする一方で、広く拡散されないようにした。しかし、「利用規約を尊重しなくてもいいと考えた人がいた」と同氏は話す。