「普段から書く仕事をされている方は、誤字脱字のチェックにかなり時間を割かれているはずです。ChatGPTに、文章のまとまりごとにチェックを依頼するだけで、自分で文章を何回も読み直して修正にかけていた時間を圧縮できます。最後に自身で確認を行う必要はありますが、かなり便利ですよ」

 これだけでも応用が利きそうな印象だが、「GPT-4」という月額20ドル(約2400円)の有料モデルを利用することで、よりクリエーティブな領域においても活用が可能になる。

「新卒採用の専用サイトなどで掲載されている『社員の声』のようなインタビュー形式の会話文を作らなければいけないとき、人事が各社員に簡単なヒアリングを行った後、AIにインタビュー形式の文章をアウトプットさせることも可能です。AさんとBさん、インタビュアーといった複数人による自然な会話文を、メモ程度のヒアリング内容を条件として付け加えるだけで作成してくれるので、かなり実用的だと思います」

 ヒアリングするべき内容やタイトルに関してアイデア出しをお願いすることも、GPT-4であれば有用だという。

「検索にかかりやすいSEOワードを提案してくれることも多いです。『○○と××という言葉を使って、タイトル案を10個考えて』と“相談”すると、魅力的なタイトルを考えてくれます」

 また、ビジネスシーンにおいてプレゼン内容に説得力を持たせるため、論文や偉人の格言を引用することも少なくないだろう。

「素人では、なかなか用途にかなう論文や名言を探し当てることは難しいものです。ところが、『徹夜が体に悪影響を及ぼすとする論文はありますか』と聞くと、『アメリカの○○大学の研究によると~』と出してくれるんです。もちろんファクトチェックは必須ですが、そもそも存在しているか分からない論文の有無から逆引きで調べることができる点は、画期的だと思います」

 ビジネスシーンにおいて、ChatGPTが活躍する場面は多岐にわたる。気をつけるべき点はあるものの、優れた“相棒”を個々の事例に合わせて使いこなすことで、作業効率は間違いなく上がるといえそうだ。