頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。

1位思考Photo: Adobe Stock

哲学者デカルトの名言

 哲学者のルネ・デカルト(1596~1650)は、

難問は、それを解くのに適切かつ必要なところまで分解せよ
(Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.)

 と言ったという。

 これはビジネスにおいても重要な視点だ。

「分ける」とは「わかる」ことであり、「わかる」とは「手が打てる」こと。

「売上を伸ばそう」と思っても、それだけでは打ち手まで見えていない。

「売上を伸ばす」という目的を実現する具体的な手段まで考える必要がある。

「eコマース」の売上を因数分解してみよう

 eコマースの売上を因数分解すると、

 セッション(ページ訪問者)×CVR(コンバージョン・レート:購入転換率)×平均単価

 の3つに分けられる。

 このように要素を分解したうえで打ち手を考える。

 セッションを大きく2つに分解すれば、

お客様自ら検索して訪れる
企業が広告などで集客する

 に分けられる。

 さらにECプラットフォームの場合、後者の広告での集客を分解すれば、そのプラットフォームで広告を出すのか、で広告を出すのか、とさらに分けられる。

 これはほんの一例だが、上司から「売上を上げてほしい」と言われたとき、「どうしよう」とあわてる前に、落ち着いて「分けて考える習慣」を身につけよう。

 なるべく細かく分解できたほうが、課題が明確化しやすいだけでなく、より具体的な打ち手をつくりやすいのだ。

(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)