昔の開成の難問が標準レベルに…激化する中学受験、塾長が明かす「恐ろしい」シナリオとは?
広がる格差
どういうことか? 小林さんが懸念するのが、中学受験を経験した子どもと、中学受験を選ばなかった子どもの学力差の広がりだ。
「中学受験の子たちは学力も高いし、昔より難しい問題が解けるようになっている。だけど労力はそんなに変わっていない。中学受験勢がより効果的に学力を伸ばしているっていうことですよね。ということは、今までと比べてより格差が開いているのではないか?」
つまり「恐ろしい」のは、中学受験生ではなく、非・中学受験生の方だという。
特に都内の女子トップ層の場合、豊島岡女子が2022年度から高校での募集を停止するなど、高校受験段階での選択肢が年々、狭まりつつある。都立小石川中等教育学校をはじめ、高校から入学することができない公立中高一貫校の伸びも著しい。
「格差は開く一方なんじゃないか」。小林さんはそう案じる。
自身も高校受験で開成高校に入った小林さんは「僕もそうだったし、中学受験勢には負けたくないですけど……。でもやっぱり、高校受験勢は相当考えて動いていかないといけないのかな、と思いました」と締めくくった。