そのうえで、「妻(夫)を守らなければならない」「お母さんに元気でいてもらうために、いじめを止めさせなければならない」と強く思い込むことで、あなたが犠牲者として膠着していたポジションから抜け出すきっかけをつかむのです。

「そんなこと想像ができない」「無理がある」などと思われる方は、次のように考えてみてください。

 もし、あなたがいじめを苦にして自殺でもしたら、あなたの家族や大切な人は本当に健康を損ねてしまうかもしれません。一生あなたに心をとらわれたままとなるかもしれません。その人を守るという強い思いが、自分を犠牲者から救済者のポジションに移動させるのにひと役かってくれます。

 そのためにも、まずは「誰かを助けるために、自分はいじめやパワハラを受けてなどいられない」と強く思うことが、心のエネルギーを燃やすチャンスになります。

 犠牲者のポジションから抜け出すには相当のエネルギーが必要です。自分の大切な人を助けるという強い思いがあなたを後押ししてくれます。

 大事なことをまとめると、次のようになります。

(1)想像上の「新たな犠牲者」をつくる。「新たな犠牲者」は迫害者と直接の知り合いではない人がよい。自分に親しい人を新たな犠牲者に据えると、自分が犠牲者のポジションから抜け出す強いエネルギーになる。反撃すると決意する前に、まず犠牲者にならないという気持ちが大事。

(2)「新たな犠牲者」を援助するために、それまでの「犠牲者であったあなた」が救済者となる。その際「新たな犠牲者」を守らなければならないと真剣に思い込む。

自分自身の攻撃から身を守ろう

 誰の内側にも、他者や自分を傷つけたり、攻撃したりする「ゆるサイコパス」が潜んでいる可能性は充分にあります。

 そこで、最後にあなた自身の攻撃を防ぐ方法をお伝えしましょう。あなたの中のゆるサイコパスの存在をまずは受けいれ、自暴自棄で自分を傷つけたり、他の人を攻撃しないよう対策をしましょう。