20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

 都立大は、2学部が学年割れのキャンパス。八王子の南大沢キャンパスで新入生の全員が学生生活をスタートする。システムデザイン学部の3年次以降は日野、健康福祉学部の2年次以降は荒川の各キャンパスに移動する。

南大沢キャンパス

 最寄り駅の京王相模原線南大沢駅周辺は飲食店やショップが充実。活気があり、暮らしやすい環境だ。駅前から大学までの道には、都内でも有数のアウトレットモールが広がっており、有名ブランド店が軒を連ねる。300メートルほど進むと、モダンなキャンパスにたどり着く。小高い場所にあるため、自転車通学だと住む場所によっては坂道を上るのが大変だったりするようだ。

 細長くて広いキャンパスは移動が大変だが、外には屋根のついた通路が続いており、雨の日の移動に便利。広大なため、自転車を足にする学生が多く、キャンパス内にはバイク用の道もある。南門を入ってすぐ右手にシンボルタワー「光の塔」がそびえ立つ。少し歩くと本部建物前の広場に「空の目門(まど)」というオブジェがあり、待ち合わせ場所となっている。

 建物の多くはおしゃれで、池と一体化した11号館などは西欧のお城のようだ。図書館本館も開放的なデザインで、「ノートPCの貸し出しもあって、便利」と好評。東京郊外の多摩地区から「大都会」の新宿や横浜へは40~50分かかる。便利とは言い難い立地だが、学生たちの満足度は意外に高い。自然の中にある近代校舎と居心地のいいサークル棟などで生活しているうちに、小さな不満はどこかに行ってしまうようだ。

 絵になるキャンパスのためかテレビや映画、CMなどのロケも多い。とはいえ、空調の効きの悪さを訴える声が多数出ている。「とくに食堂は、夏は暑く冬は寒い」という。

日野キャンパス

 JR八高線の北八王子駅から徒歩15分、JR中央線の豊田駅からは徒歩20分。周辺には大手メーカーの工場や研究所が多い。工学部のみの単科大学として生きてきた、元東京都立科学技術大学のキャンパスである。「みんな研究室にこもっているので、人けも活気もなく、大学っぽくない。食堂のメニューが少なく、値段も高い」(システムデザイン学部生)と、南大沢を懐かしがる学生が多い。「毎年、敷地内に勝手に種をまいて野菜を収穫し、生活の糧としている一人暮らしの学生と、それを防ごうとする学務課との戦いが繰り広げられている」なんて話も。キャンパスの改修も進んでいる。

荒川キャンパス

 最寄り駅は都電荒川線と日暮里・舎人ライナーの「熊野前」。周囲はディープな東京の下町。