20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
立地条件はほぼ完璧。JR札幌駅から正門までは徒歩7分程度。ただし、あまりに広いので、目的の建物までの時間を調べてから動きたい。キャンパス自体が観光名所で、訪れた人のほとんどは「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士の像の前で記念写真を撮る。「像によじ登ると留年する」との噂あり。「エルムの森」というインフォメーションセンターには、2020年秋に「カフェdeごはん」とオリジナルショップがオープン。ハムや日本酒、グッズやお菓子などお土産に最適な品ぞろえだ。
夏はポプラの綿毛がふわふわと舞い、秋にはポプラとイチョウの並木が燃えるように美しい。雄大なキャンパスは北大生の自慢ではあるが、講義の合間の移動は大変だ。自転車は必需品。軍の滑走路だったというメインストリートは、朝の通学時間帯になると自転車だらけになる。雪が積もると地獄だ。付属の大学病院や歯科診療センター、動物医療センターなどもキャンパス内にある。
キャンパスの緑は整備されていて、老人たちが絵を描いていたり、保育園児が戯れていたりと、公園のような雰囲気。花や樹木、昆虫、野鳥などの宝庫であり、カモのほか、たまにキツネもいる。農場には馬や牛、豚、羊も。キャンパス内での「ジンパ」(ジンギスカンパーティ)も楽しい。共用レクリエーションエリアの利用を事前申請すれば楽しめる(コロナ禍では中止のまま)。
生協では肉、野菜をはじめ、コンロや木炭、取り皿、割り箸、ごみ袋の「ジンパセット」を販売。夏には学内でビアガーデンも開催される。図書館・図書室は全部で18ヵ所もあり、本館や北図書館はくつろげるオープンエリアも多め。古い建物が多く、いつもどこかで改修工事が行われている。冬には敷地内に雪が積もり、授業の出席率も下がる。自転車で5分くらいの距離には学生街が形成されており、定食屋や古本屋なども充実。自由な時間はスポーツ、観光、ドライブなどアウトドアを楽しむ人が多い。
水産学部だけは3年次から函館キャンパスに。片道5時間近くかかるので、もはや他大学。「函館水産単科大学」と揶揄される。駅からは遠いが、「スーパーや飲食店が多く、生活には困らない。家賃も安い」(水産学部生)とのこと。札幌キャンパスのサークルに毎週末通う強者もいる。