本をブックオフで購入したことをSNSで公言するのはアリなのか、ナシなのか。そんなテーマがツイッター上で一瞬話題になった。これだけを読んだ人の多くは、「そのぐらい自由なのでは」と思うかもしれない。しかしこの議論の発端には、ある議員の当てつけめいたツイートがあった。(フリーライター 鎌田和歌)
古書店で本を買うことを公言、しかし騒動の裏は複雑で…
『皆さんも著者や訳者の方に「本買いました!」というツイートを送る時は気をつけたほうがいいですよ。「ブックオフで」と言われて喜ぶ人は一人もいません』(参考)
書評家の豊崎由美さんが自身のアカウントでこうツイートしたのは6月28日のこと。
以前から、読書にあたって古書店で入手したことや図書館から借りたことを、わざわざSNSなどで報告するのはどうなのかという議論はあった。
著者や出版社は当然のことながら、できれば新刊を購入してほしい。もちろん、「利益につながらなくても読者が増えてくれれば、読まれないよりはよい」と考える人もいるだろうが、SNSを使ってわざわざ「図書館で借りました!」「ブックオフで買いました!」と著者に報告する人もいるとなると話が変わってくる。
読者の中には、印税収入の仕組みを知らなかったり、書き手がそういう部分にこだわることを知らず、無邪気に報告してしまう人もいるのかもしれない。そういう無邪気な人は、それがひんしゅくを買いかねない報告であると教えられれば、改める可能性も高いだろう。
一方、何らかの意図を持ってわざわざ新刊購入していないとツイートする行為の場合はどうだろうか。
実は、今回の豊崎さんのツイートには、前段があった。