サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで!それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に!日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

一時的なブームかと思われた「サウナ」がますます盛り上がる理由とはサウナは様々な形に進化。Photo: Adobe Stock

サウナの真髄は「入り方」にある

 あなたは熟練のサウナー(サウナ愛好家)でしょうか? それとも、最近サウナに興味を持ち始めた方ですか?

 あるいは、過熱するサウナブームをいぶかしく思いながらも、なんだかちょっと気になっている感じでしょうか。

 実は、数年前まで私は「サウナブームをいぶかしく思っているタイプ」でした。2018年当時、少しずつサウナが注目を集め始めていましたが、「何がそんなにいいのだろう?」と。ましてや「ととのう」だなんて、怪しすぎると……。

 けれども、今の私はサウナが大好き。

「ととのう」を日々かみしめています。

 なぜ、こんなに変わったのか。

 その理由はすべて「入り方」にあります。

 以前の私は間違った入り方をしていたせいで、サウナの真のパワーを全く享受できていなかったのです。

サウナはコロナ禍でも発展を遂げ「ブーム」を通り越して「健康インフラ」に

 サウナの素晴らしさを知り、通称「サウナドクター」と化した私は、2020年3月に、サウナの効果を日本で初めて科学的に紐解いた『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社刊)を出版しました。この本はサウナにどのような効果・効能があるのか、なぜサウナに入ると仕事のパフォーマンスが上がるのかを細かに書いた「サウナの啓蒙書・理論書」のようなものでした。

 出版してみると、ありがたいことに大反響。ますますサウナブームが盛り上がっていくかと思っていましたが、そんな矢先にコロナ禍が到来。サウナ業界も客足が落ち、行く末が危ぶまれました。

 ところが……。

 施設側は賢明でした。客足低下や営業自粛を逆手に取り、今がチャンスとばかりに大規模な改修工事を行い、新たなサウナの形へ進化し、既存のサービスに磨きをかけていったのです。

 さらに、「個人でゆっくり入りたい」「屋外で他人を気にせず楽しみたい」などニーズが多様化したことで、個室サウナやアウトドアサウナなど、サウナの楽しみ方がより一層充実。

 蓋を開けてみれば、サウナは人気が衰えるどころか、もはやブームを通り越し、運動に並ぶほどの健康インフラに発展しようとしているのです。

「究極にととのう」にはどうすればいいのか

 前著を発売後、サウナ業界が進化を遂げたように、私自身も「ととのいセンサー」(“ととのい具合”を心拍数や自律神経の変化をもとに可視化する腕時計型のデバイス)を開発したり、様々な企業にご協力いただいて研究を深めたり、最新の論文を読みあさったりして、サウナを科学的に解明する努力を重ねてきました。

 新著では、その結果をあますことなく公開し、サウナの究極の入り方を追求しています。そして良いことだけではなく、サウナの流行に伴って生じてきた弊害なども踏まえて、注意すべき点にもきちんと触れています。

 また、ビギナーの方に比べると、体が慣れた熟練サウナーの方は、なかなかととのいにくくなってくるのですが、熟練者でもちゃんとととのう世界各国の医学的エビデンスを元にしたマニアックな方法も、ちゃんとあります!

 サウナは、瞬間的な心地よさを求めて「ととのう」のに役立つだけではなく、日常の体調を維持したり、長期的に病気を予防したり、人間関係を円滑にしたり、「人生そのものをととのえる」のにも役立てることができます。サウナの可能性は、あなたが思っているよりもおそらくもっともっと大きいはずです。是非、最新のサウナ研究とサウナ事情を知って、ご自身のサウナライフに役立ててください。

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。