昨今のサウナブームに沸く温浴業界だが、それにもかかわらず銭湯やサウナの閉店は止まらない。その理由や業界が抱える課題について、サウナ王こと、温浴事業・温浴施設経営コンサルタントの太田広氏(楽楽ホールディングス代表取締役)に聞いた。(清談社 沼澤典史)
銭湯などの一般公衆浴場は
約30年で7000施設の減少
現在、日本ではサウナブームが巻き起こっている。サウナと水風呂に入り、イスなどに座って休憩する外気浴を交互に行うことによって得られるリラックス状態、通称「ととのう」ことが快感になると、多くの人がサウナ施設に訪れているのだ。
一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所によれば、「月に4回以上」サウナに入るというヘビーサウナーは287万人と推計されるという。実際、有名施設ではサウナ室の前に行列ができていることも珍しくない。
しかし、そんなブームとは裏腹にサウナ施設や銭湯の廃業が後を絶たない。昨年6月は「スパリゾートプレジデント」(東京・上野)、2020年には「湘南ひらつか天然温泉 太古の湯 by グリーンサウナ」(神奈川・平塚)といった人気施設が閉店。他にも銭湯を含め全国の施設の閉店が続いている。